こんにちは、ふぅです。いよいよバレンタイン当日ですね。
最近My Funny Valentineの記事を投稿しつづけています。
→My Funny Valentineの歌詞の和訳
→My Funny Valentineが初めて演奏されたミュージカルのあらすじ
→My Funny Valentineがミュージカルの中で演奏された場面
前回はMy Funny Valentineが、Billieという女性からValentineという
男性に向けて歌った歌であり、容姿をけなしながら想いを伝える歌で
あることを書きました。
今回は「想いを伝えるのにどうして容姿をけなすのか?その心は?」
という問いに答えていきたいと思います。
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目次
容姿をけなしながら恋心を伝える時の気持ちって?
私が考えた、恋心を伝える時に容姿をけなす理由は
次の二つです。
- 欠点を思い浮かべても諦めきれないほど想いが強いということを示すため
- 周囲の笑いをとるため
これだけだと意味がよくわからないと思うので、順番に補足します。
欠点を思い浮かべても諦めきれないほど想いが強いということを示すため
以前の記事でもお伝えしましたが、この曲が歌われた時点では
BillieとValentineの関係に亀裂が入ろうとしていました。
そして、ValentineがBillie以外の別の女性に抱きつこうとした瞬間に
Billieがこの歌を歌うのでしたね。
この状況を打破するためにBillieが歌で想いの強さを伝えたというのが
一つ目の説です。
この仮説をセリフで表すと、
「そりゃあなたはブサイクだし、写真映えするイケメンじゃないかも
しれないよ。でもね、私はそんなあなたが好きだから、そのままでいて!
お願い!」
といった結構真剣な感じになります。
周囲の笑いを取るため
これはちょっと分かりづらいかもしれませんが、
次のような場面を想像すると分かりやすいかもしれません。
二人の女性が男性の目の前で
女A:「〇〇くんってかっこいいよね〜」
女B:「まあ、たまに意味不明なこというけどね(一同笑)」
のように話している場面を考えてみてください。
こんな風に、褒めた後にちょっとした欠点をからかって笑いをとる
というのは、普通の会話でも結構あると思います。
My Funny Valentineにこのシチュエーションを当てはめると、
「あなた笑わせてくれるわね。ブサイクだし、写真映えもよくないし。(一同笑)
でもあなたのことほんっと〜うに大事に思ってるから、そのままでいて。
分かった?」
という感じで、さっきの懇願する感じよりはちょっと強気に出た感じになります。
これが二つ目の仮説です。
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二つの仮説、どっちが正しい?
ここまで女性が男性をけなしながら恋心を歌う時の心情としてあり得る可能性を
考えました。
みなさんはどっちの説を支持しますか?
いろんな意見があるでしょうし、他にも可能性はあると思いますが、私は二つ目の
「笑いを取るため」説がいいのではないかと思います。
「笑いを取るため説」を支持する理由
では、なぜ「 笑いを取るため」説がいいと思うのか、理由を説明します。
一つ目の理由は、この曲が歌われたBabes in Armsというミュージカルがコメディであることです。
一つ目の仮説のように、相手に対する真剣な想いをストレートに伝えるというのは
コメディには合わないんじゃないかな…?
と私は思いました。
だって、目の前にカップルがいて、その女性が男性に
「あなたのことが大好きなの!そのままでいて!」って必死に懇願するのを
目撃したと考えてみてください。
あまり笑えないし、ちょっと見苦しくもありませんか?(^^;
容姿をけなして聴衆の笑いを取りつつ、最後に
「そのままでいてちょうだい、ねっ、分かった?」
と軽く言った方が親しみがわく気がします。
二つ目の理由は曲調です。
特に重要なのは、この曲の途中で明るくなる部分、つまり短調から長調に変わる場面の歌詞です。
こちらの音源↓だと1:35〜1:55の部分です。
曲を頭に入れた上でこの曲の歌詞をもう一度見てみましょう。
→歌詞はこちら(別サイトに飛びます)
途中の明るくなる部分で歌われている歌詞は
Is your figure less than greek?
Is your mouth a little weak?
When you open it to speak, are you smart?
(引用元:http://www.lyricsfreak.com/e/ella+fitzgerald/my+funny+valentine_20045842.html)
で、この部分の訳は、
姿はギリシャ彫刻より劣るけど
口元も弱々しい感じ
話し方だって、とてもスマートとは言えない
(引用元:http://udzu.blog123.fc2.com/blog-entry-3.html)
です。
明るい曲調の部分では完全に相手をけなしています。
つまり、けなしている時の心情は明るいのです。
このことから、真剣な思いを伝えているというのはちょっと違うかなと思いました。
また、アレンジの面から見ても、軽やかなフルートの音や、グロッケンのきらびやかな音色からはシリアスなシチュエーションは思い浮かべづらいかなと思われます。
まとめ
Valentineも近いしMy Funny Valentineの記事でも書くか…、という軽いノリで書き始めたのですが、思いの外長くなってしまいました。
この曲に関して考察できるところはまだまだあります。
例えば歌詞の中に’fine feathered friend’という部分があるのですが、この意味を決めるのはかなり
難しいです。
歌詞の訳の引用元のサイトの方も「難しかった」とおっしゃっていたので、
解釈の余地はまだありそうです。
また、当初目標にしていた、「曲の意味を踏まえた上で、Oscar PetersonのアップテンポのMy Funny Valentineが原曲の意図とどれくらいずれているかを評価する」ということも出来ていません。
バレンタインは過ぎてしまいますが、連載は続けていくので、読んでくださると嬉しいですm(__)m
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